4688人が本棚に入れています
本棚に追加
(え………)
てっきり責められると思っていたから、瑞希の反応は意外だった。
「それなら、適当に居酒屋にでも行きましょうか」
「……いいの?」
「なにがですか?」
「いや……もっと洒落た店のほうがいいのかと思って」
浩二自身は肩肘の張った店より居酒屋のほうが好きだけど、女子はダイニングバーみたいなほうが好きなのかと思っていた。
「そういったお店を予約してくれてたら嬉しいですけど、宮坂さんには期待してないって言ったじゃないですか。
お腹すいたし、もう行きましょう」
あっさり言って歩き始める瑞希の横顔は、本当にすがすがしいものだった。
責められたわけでもないけれど、これはこれで居心地が悪い。
後ろ暗い気持ちを抱えつつ、浩二は瑞希の後に続いた。
最初のコメントを投稿しよう!