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(え………) てっきり責められると思っていたから、瑞希の反応は意外だった。 「それなら、適当に居酒屋にでも行きましょうか」 「……いいの?」 「なにがですか?」 「いや……もっと洒落た店のほうがいいのかと思って」 浩二自身は肩肘の張った店より居酒屋のほうが好きだけど、女子はダイニングバーみたいなほうが好きなのかと思っていた。 「そういったお店を予約してくれてたら嬉しいですけど、宮坂さんには期待してないって言ったじゃないですか。 お腹すいたし、もう行きましょう」 あっさり言って歩き始める瑞希の横顔は、本当にすがすがしいものだった。 責められたわけでもないけれど、これはこれで居心地が悪い。 後ろ暗い気持ちを抱えつつ、浩二は瑞希の後に続いた。
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