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瑞希の問いに、浩二はすぐに頷いた。
あれだけ話し込まれたんだから、忘れるわけがない。
「この間、元彼との打ち合わせの時間が足りなくって、仕方なくビジネスランチをして時間の調整をしてたんです。
そこを元彼の彼女に見られたんですけど、今にも泣き出しそうで……。すごく居心地悪い思いをしたんですよ」
不自然に歪む瑞希の表情から、辛い気持ちになっていることが容易に窺えた。
なにか言ってやりたい気持ちが沸き上がるけれど、黙って続きを待った。
「なんかね、その子はすごく切なそうな顔をしてこっち見てたんです。
その様子がはかなげで、守ってあげたくなる女子っていうか……。
だけど私と元彼との打ち合わせ終わったら、私の目の前で元彼に声かけてきたんですよ。
気弱そうな顔をして、自分が彼女だって知らしめたかったんですかね」
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