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思い出しながら怒りが込み上げてきたのか、彼女の言葉尻りがきつくなっていた。 「社内恋愛なんてもう二度としませんけど、本当にいろいろと面倒でした」 瑞希は残り半分ほどのファジーネーブルを飲み干すと、浩二から視線を別に移した。 (社内恋愛か……) 浩二は温野菜のブロッコリーを食べながら、システム部のメンバーを思い浮かべた。 数人しかいない女性社員は、女というより同志というほうがしっくりくる。 ほかの部署と接触することがないからわからないけど、今までシステム部内では浮いた噂は聞いたことがない。 あれだけ女に飢えている原田でも、社内で女を探す気はないみたいだし、やっぱり社内恋愛は面倒なものなんだろう。
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