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「それで、宮坂さんはなににします? またビールですか?」 浩二のビールジョッキは空だった。 じっと瑞希を見ていた浩二は、彼女が顔をあげた時、真正面から視線がぶつかった。 「……俺は仕事熱心な瑞希さん、好きだけどな」 問われたのは飲み物のことなのに、口から出たのは今まで考えていたことだった。 当然瑞希は面食らい、しばらくして照れ隠しのように眉をひそめた。 「……ちょっと、急になんですか。 もう酔ったんですか?」 浩二は「いや」と笑って続ける。 「瑞希さんの仕事への姿勢。 えらいと思うし、感心するから」
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