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てっきり悪いほうに取られたと思ったから、瑞希の答えは意外でもあったし、納得する部分もあった。
実際、浩二なら会社を起ち上げようだなんて絶対に思わない。
労働と対価のバランスを考えて、今みたいに雇われ雇用の道を選ぶけれど、健吾は昔から自分の信じた道を突き進んでいく。
RPGで敵のダンジョンに向かう時だって、部活でやってたバスケだって、就職活動だって、攻めの姿勢を崩さなかった。
無鉄砲と紙一重な姿に呆れる時もあるけれど、根底で健吾を尊敬しているのは、自分にはない魅力があるからだ。
(……まぁ、そういったことを本人に言ってやったことは、今まで一度もないけど)
そんなことを心の中で呟きながら、浩二は頷いた。
「まぁ、ああいった自分に自信満々なやつじゃなきゃ、会社経営なんて務まらないのかもね。
この間久々に兄夫婦が実家に帰ってきた時に、少し話をしたんだ。相変わらず俺様だったよ」
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