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「俺様って……なんだか宮坂さんのお兄さんって、宮坂さんとは全然違う性格っぽいですね。 そんな人の奥さんが務まるのは、いったいどんな人なんですか?」 その問いに、浩二は食べかけていたたこわさびを喉に詰まらせそうになった。 ちょうどその時、店員がモヒートをふたつテーブルの上に置いた。 おかげで瑞希の視線はそちらに向き、浩二は動揺を知られずに済んだ。 (どんなって……) すぐに頭に浮かんだ言葉を、浩二が言えるはずもない。 だから浩二は、第三者として美月の特徴を探した。 瑞希はモヒートを飲みつつ、質問の答えを待っている。 浩二も気を落ち着けるために、それを一口飲んでから言った。 「兄の奥さんは……穏やかで、器量のある人かな。 結婚したのは半年前だけど、兄とは10年以上付き合ってたよ」 「へぇー、10年以上も…… すごいですね」
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