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声はこの席のとなり、瑞希が背を預ける仕切りの奥からだった。
ここの居酒屋は全席半個室の造りで、顔は見えなくとも声は通る。
さっきまで気にならなかったけれど、あちらの酔いがだいぶ回ってきたのかもしれない。
「俺もメニュー見ていい?」
ミヤサカがさっきと同じ笑みで尋ねた。
瑞希は頷いてメニューを一緒に覗き込む。
あれだけ話したら、彼だってさすがに喉も渇いただろう。
瑞希も甘いものが飲みたくて、フローズンカクテルの欄を眺めていると、また笑い声が聞こえた。
「だから、それは違うって」
瑞希は一呼吸置いて、反射的に顔を上げた。
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