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こんな状況になっても、仕事はしっかりしてくれと言いたいのだろうか。
無表情の仮面がはがれかけたけど、なんとか持ちこたえて頷いた時、「瑞希」と後ろで声がした。
振り返ると、目を細めて笑うミヤサカが立っていた。
一見穏やかそうな笑顔なのに、彼の目は笑っていなかった。
住井は瑞希の連れを見て、ひどく呆けた顔をしている。
やや間があって、住井は慌てたように頭を下げた。
「ごめん、接待中だったんだ。
すみません、私たち芹澤さんと同じ会社のもので……」
住井なりにミヤサカがだれかと考えた結果、取引先の人という結論に達したらしい。
彼は瑞希を名前で呼んだからその見解はおかしいけど、誤解してるならそれでいい。
なんでもいいから、一刻も早くこの場を離れたかった。
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