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言った途端、余計なことも言ってしまったと気付いた。
けど押し切るしかなくて、瑞希は急いで立ち去ろうとした。
夜風が目にしみるのは気のせいだ。大したことはない。
瞬きをして歩き出した時、ミヤサカが言った。
「今まで話を聞いてきたから、瑞希さんがどんな気持ちでいるのかくらいわかってる。
全部聞くから、思ってることをちゃんと吐き出して」
咄嗟に顔を上げると、彼と真正面から視線がぶつかった。
この男はなにを言ってるんだろう。
目を瞠る瑞希と対照的に、彼は一切瞳を揺らさない。
「俺にはなんでも言えるって言ったよね。
なのに今更無理して隠そうとするなんて反則だろ。
いつもみたいに言ってよ。
じゃなきゃ心配で帰せない」
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