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原田の言葉を聞きつけたのか、向いから河合が顔を覗かせた。
「そうそう、聞いたぞ。
お前彼女できたんだって?」
そんなことは一言も言っていないのに、こんな調子じゃ原田が憶測で拡散したんだろう。
「さぁな」と言って仕様書をめくっていると、原田がまたわめいた。
「『さぁな』ってなんだよ。
そういうのは肯定してるのと同じなんだよ!
お前だけいい思いしやがって……。
罰として、俺らの弁当今すぐ買ってこい」
「あぁ、それいいな! 行ってくれ宮坂!」
浩二は思わず顔をあげた。
腹は減っているけど、理不尽すぎて納得いかない。
「なにそれ、意味わかんないんだけど。
ってか、おとといも俺が買い出しだっただろーが」
「お前、幸せボケてんのか、今日ずっと上の空じゃん。
昨日なんかあったのはわかってんだよ、つべこべ言わずに買ってこい!」
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