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わずかな風のある夜だった。 梅雨に入る手前で暑くも寒くもなく、買い出しには一番適した季節でもある。 浩二は駅近くのコンビニを目指しながら、スマホを取り出した。 瑞希に連絡するなら今しかない。 LINEを開き、メッセージを打ち込もうとする。 けれど味気なく感じた浩二は、少し迷ってから通話ボタンを押した。 しかし電話は繋がらず、息をついてスマホを下ろした時、彼女からメッセージが届いた。 『ごめんなさい、まだ仕事中なんです』 画面上部の時計表示は、もうじき9時になろうとしている。 こんな時間まで仕事だなんて、やっぱり瑞希も忙しいのだろう。
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