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その一言が鉛のように胸に落ちて、鼓動がどんどん加速していく。
なにも言えずにいると、ふいに瑞希が尋ねた。
「……宮坂さん」
「あぁ、なに?」
「まだ少し時間ありますか?」
「え……あぁ、大丈夫だよ」
本当はもう戻らないといけない。
だけど彼女の神妙な口ぶりが気になったし、話を聞くことで動揺を押し隠したかった。
「これから話すことを聞いたら、宮坂さんは私のこと、最低だって思うかもしれませんけど……」
聞こえてきた声はさっきより弱々しくて、浩二は彼女がなにも言わないうちに、「そんなことはないよ」と笑った。
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