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騙しているつもりはないけど、内情を隠している以上は同じだ。
最低なのははじめからわかってる。
それでも、美月と同じ顔で同じ声、嗜好も同じ人なんてほかにいない。
想いを投影できる人は彼女しかいなかった。
(だけど……)
瑞希といるうちに、だんだんと美月と違う部分にも目がいく。
彼女の個性だったり良さに接しているうちに、ふと瑞希を瑞希として見ている時がある。
(……なんだろ……不思議だな)
今日なんて、一日気にしていたのは瑞希のほうだ。
浩二の心の中には今も美月しかいないのに、いつの間にか芽生えた小さな変化に戸惑った。
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