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*** スマホを耳からおろすと、瑞希はため息を残して暗い休憩室を後にした。 ミヤサカからLINEが届いたのが数十分前。 昨晩、ミヤサカは家まで送ると言ったけれど、それを断って新宿駅で別れた。 迷ったけど電話をしようと思ったのは、彼に和明とのことを心配されているのがわかったからだ。 和明との打ち合わせは、ちゃんと仕事だと割り切れた。 普段通りとまでいかなかったけど、私情を挟まずに淡々と進められた。 だけどその後で、私情を挟んできたのは和明のほうだった。 『なんだよ、あいつ。 瑞希、あいつに騙されてんじゃないの?』 そんなことを言う和明の表情は苛立ちに満ちていて、どんな心情でいるのかすぐにわかった。
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