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(もう……) 瑞希は内心ため息をつきながら立ち上がる。 けど母も祖母もいるし、そのうち訂正しなくとも勘違いだと気付くはずだと、気を取り直した。 それから始まった法事は30分程度で終わり、住職さんを見送った後、入れ替わりで仕出し屋さんの軽トラが庭先に止まった。 祖母を筆頭に、母や叔母は慌ただしく台所に向かう。 「瑞希も手伝って」 母に言われ、瑞希は仕方なく靴に履きかえた。 昔ながらの家だから、台所が土間にあるからだ。 仕出し弁当はお店の人が並べてくれるようで、瑞希は母に言われたとおりビールグラスを棚から出し始めた。 その時、「なにか手伝いは……」と、声が聞こえた。 振り向くと、母と同世代くらいのおばさんが戸口で顔を覗かせている。 (えっと……) だれだろうと、瑞希は内心呟いた。
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