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「それもそうだな! よっしゃ俺が行ってくるわ!」
言うやいなや、マウスを何度かクリックして席を立つ。
「しかたねーな。お前ら俺に感謝しろよ」
いそいそとオフィスを出ていく原田を、浩二のチーム全員が呆れ気味に見守る。
「……宮坂、お前原田使いなんじゃねー?」
ぽつりと言った河合に、浩二は肩をすくめると、「こういう時だけは、あいつの思考回路が単純でよかったと思うよ」と、また液晶画面へ目を移した。
次の日の午後、浩二は珍しく休憩室をにきていた。
『お前なぁ……!
トラブルのあったパソコン、女子のじゃなかったじゃねーかよ!
どうしてくれるんだよ、償えー!』
昨日原田が戻ってくるなり詰め寄られ、適当になだめるとアイスコーヒーを買ってこいとパシリにされたからだ。
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