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(まぁ、缶コーヒーひとつで気が済むならよしだよな) 原田が行ってくれなきゃ自分が行くはめになっただろうし、手間を考えるとあと一回くらいならおごってやってもいい。 (けど……) ああいった緊急要請が入ると、こうして押し付け合いになるのは困ったものだ。 (いつもスケジュールがきついからなぁ……) 浩二はため息をついてブラック無糖のコーヒーを買うと、ついでに自分のも買おうと小銭を入れた。 その時、休憩室にだれかが入ってきた。 かなり若い女子社員で、浩二と目が会うと一瞬驚いたように目を開いたが、すぐに軽い会釈をした。 浩二も同じように会釈をしてコーヒーのボタンを押そうとした時「きゃ……!」と、短い悲鳴が聞こえた。
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