4687人が本棚に入れています
本棚に追加
/399ページ
それから数日後の正午。
そろそろカロリーメイトでもかじろうかとしていた時、突如情報システム部内にざわめきが起こった。
なんだと顔をあげるよりも先に、神崎が「宮坂!」と浩二の元に駆け寄ってきた。
「お前、あそこの女子に呼ばれてるぞ」
「え?」
わけがわからず神崎から戸口に目を移せば、たしかに見慣れない女子社員が立っていた。
(だれ……?)
ここからじゃ社員とパソコンに阻まれてよく見えない。
目を眇めた瞬間、原田に肩を揺さぶられた。
「ちょっと、お前あの子だれだよ」
その拍子に浩二の肘がキーボードに触れ、余計な画面が表示されてしまう。
「ここからじゃ見えねーよ。
ってかなにするんだよ、まだ保存してないのに」
浩二は急いでマウスを握り、データを保存して立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!