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途端に待ち構えていた神田と原田に捕まり、問い詰められた。
「話はなんだったんだよ、ってかその紙袋はなんだよ!」
「あぁ、これはお礼だってくれた」
「はぁぁ? お礼ってなんだよ、お前なにしたんだよ」
双方から詰め寄られ、浩二は耳を押さえながら言った。
「こないだ原田にパシリにされて休憩室にコーヒーを買いにいたんだよ。
その時にあの子が小銭落として、自販機の下に入ってとれなくなったから、おごってあげただけ」
「なんだよそれ。
そういったことをさらっとするところがむかつくんだよ」
「ほんと、無駄に株をあげやがって」
ふたりは顔を見合わせて口を尖らせた。
(なんだよ、それ)
浩二は聞こえるようにため息をつく。
低レベルな不満すぎて、呆れるのを通り越して憐れになってきた。
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