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「もういいだろ、仕事しろ、仕事」
「もう昼だし、ちょっと休憩だよ。
ってかお前彼女いるだろうが。そのくせ他の女に媚びるとか、マジ最低だな」
原田は浩二がさげた紙袋を一瞥した。
「いいって言ったけど、受け取ってって言うし、こんなとこまで好意でもってきてくれたのに突き返せねーだろ」
「俺には彼女がいますって断ればよかったんだよ。
そしてさっさと嫌われてしまえ」
無茶苦茶な原田に、浩二はこれ以上取り合う気が失せた。
足早にデスクに戻ると、追及をあきらめた神田も自分のデスクに戻り、ほっとしたのも束の間、隣の原田は椅子に座るなり「なぁ」と浩二に言った。
「なんだよ。もうこの話はいいだろーが」
「違うって、そういや俺、思い出したんだよ」
「なにをだよ」
「さっき来てたあの子、こないだ総務に行った時に見かけたわ」
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