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『よう。来週日本に出張になったから、実家に顔出せよな』
健吾からのメールをしばらく眺めて、浩二はやがてはぁと息をついた。
中国に渡って半年、ぜんぜん連絡もなかったし日本に戻っても来なかったのに、こうして出張が入るということは、仕事が順調ってことなんだろうか。
(……また美月も来んのかな)
もしそうだとしたら、瑞希とまとまるまでは会いたくない。
違いを見つけてしまえば、自分の中でずれが生じてしまうから。
いろいろと考えていると、集中力が完全に途切れてしまった。
浩二はとりあえず休憩しようと、引き出しからカロリーメイトを引っ張り出す。
その時、見計らったようにスマホにLINEが表示された。
『こんにちは。
ちょっと聞いてほしいことがあるんですけど、今日仕事が終わったら電話してもいいですか?』
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