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その言葉にカチンときた。
たしかに最初は胡散臭いって思ってたけど、今はミヤサカがどういった人なのか、少しはわかってる。
「あなたに彼のなにがわかるのよ。
っていうか、自分がなにを言ってるのかわかってるの?」
自分が若い女に振られそうだからって、そんな発言不愉快だ。
「わかってるよ。
お互いのためにそれがいいと思ったら言ってるんだ」
「そんな自分勝手な考えを押し付けないでよ。
よりを戻すなんてこと、絶対にないから」
瑞希は無理やり和明を引き立て、手洗いの前で腕を離す。
よろめく和明を一瞥すると、吐き捨てるように言った。
「下の名で二度と呼ばないで。
じゃ、飯田さんお大事に」
廊下の隅に置きっぱなしだったビジネスバッグを掴むと、瑞希は企画部のドアを乱暴に閉めた。
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