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移動の時間を考えると、食事していられる時間は実質30分程度だろう。
一番近いお店のパスタランチでも、出てくる時間を計算すると間に合わないかもしれない。
(もう、コンビニで済ますしかないかな……)
こんなことになったのは和明のせいだ。
腹立たしく思いながらエレベーターに乗ると、ひとつ下の階ですぐに止まった。
急いでるのにと、扉の外に目を向けると、そこに立っていたのは辻だった。
(えっ)
思わず目を瞠ると、相手のほうも一瞬驚いた顔をした。
けれど辻はすぐに微笑んで、瑞希に会釈してからエレベーターに乗り込む。
(ほんと、今日はなんなの……)
瑞希は心の中で大きなため息をついた。
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