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いったいあなたはなに様なのよ。 人を見下すのもいい加減にしなさいよ。 遠ざかる辻の背中に駆け寄って、ふざけないでよと肩を揺さぶりたくなる。 けど、バカにつける薬はないし、あんな相手に構って取り乱すなんて、大人としてのプライドが許さない。 (いったいあなたがどれほどの女だっていうのよ。 中の中くらいの顔して、なに調子乗ってるのよ。バカじゃないの……!) 心の中で思いっきり毒づくと、瑞希は辻を視界から消したくてビルに駆け戻った。 エレベーターに乗り、休憩室を目指す。 鞄の中から財布をひっつかむと、自販機に小銭を入れて、デカビタのボタンを押した。 一気に喉に流し込むと、瑞希はだれもいない休憩室で声をあげた。 「そっちが別れようがどうしようがそんなの勝手だけど、私は関係ないじゃない。侮辱しないでよ……!」 今日は本当に厄日だ。 瑞希はこみ上げる憤りを、残り半分のデカビタを飲み干してなんとか堪えた。
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