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仕様の変更が終わったのは、午前1時を過ぎてからだった。
データを保存して一息つくと、オフィスに残っているのは別のチームの徹夜組だけになっていた。
浩二は重い体を起こして立ちあがり、デスクの端に置いていた紙袋を掴む。
家に持ち帰っても困るけど、このまま放置していて、もしだれかに中を見られでもしたら大変だ。
「なんか……今日って厄日だったんじゃ……」
厚意か好意かよくわからないものをもらうし、仕事はミスするし。
家に帰ってもあまりゆっくりできないけど、とりあえず帰ろう。
浩二はため息を残すと、オフィスを出て薄暗い廊下を歩いた。
空腹は麻痺したらしく、もう感じない。
けれどやけに喉がカラカラで、浩二は無性にデカビタが飲みたくなった。
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