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でも結婚式の翌日、健吾に言われた一言で、気持ちは揺らぐ。
『お前、美月が好きだったろ』
その時、自分がどんな顔をしていたのかわからない。
相手の健吾は、冗談めいた苦笑を浮かべていたけど、瞳の奥はとても静かだった。
内心、気付かれていたことに動揺した。
美月を10年以上想っていた事実は、健吾にとっては辛い事実だろう。
美月だって、知れば複雑なのは目に見えていた。
咄嗟に「なにいってんの」と、鼻で笑った。
そんな態度を取るくらいしか出来なかった。
健吾も鼻で笑い返した。
その意味を図りかねた浩二は、健吾の真意を知るのが怖かった。
美月をこれから先も想う自分を、見透かされてる気もした。
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