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「なんで宮坂さんがここに……」
あまりにも率直な疑問に、浩二は少し困ったような顔をした。
「俺もここで働いているから。
ここのシステム情報部が、俺の職場」
「え……」
「自販機に行こうとして、企画部の前を通りかかったら電気がついてて。
消し忘れかと覗いたら、瑞希さんの姿が見えたから驚いた。
……まさか同じ会社だったなんて」
肩をすくめる浩二を、瑞希は唖然とした様子で見つめている。
大きく見開いた目は赤くて、明らかに疲労の色が滲んでいた。
「……それで、瑞希さんはまだ帰らないの?
もうこのフロアに、ほかにだれもいないけど」
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