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彼女の表情を見て、浩二は小さく息をついた。
正直、アンケートはざっと200枚はある。
これを吸い上げるだけでも数時間はかかりそうだ。
浩二はなにも言わず、瑞希の隣の席に座った。
そのままパソコンを起動させると、瑞希は慌てて浩二を見やった。
「え、ちょっと……」
「手伝うよ。
今してる集計なら、俺でも出来る。瑞希さんは別の仕事を終わらせて」
「な、に言ってるんですか……!
宮坂さんは部外者だし、だいたいこうなったのは私のミスなんです。ちゃんとひとりでやれますから……!」
そう言った途端、瑞希はしまったという顔をした。
(……なるほど)
こんな深夜にひとりで残業している理由はそれか。
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