4688人が本棚に入れています
本棚に追加
/399ページ
浩二は瑞希の手からアンケートを抜く。
瑞希はそれを力のない目で追った。
「集計はやるから、今使ってるファイルをこっち回して」
「でも……」
瑞希の顔は泣きそうなのを我慢していた。
浩二はなるべく穏やかに言う。
「そんな顔しなくても、責めてなんてないよ。
ミスなんて誰だってするし、しない人間なんていないだろ。
っていうか、実は俺も今日ミスしてこの時間だし」
「え……」
顔をあげた瑞希は、わずかに目を瞠った。
「だから、本当はこんなこと言えた義理じゃないけど、瑞希さんを放っておけない。
……さっきのは言いすぎた。ごめん」
最初のコメントを投稿しよう!