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「いつもさ、徹夜明けに缶コーヒー飲むと『あー、終わった!』って感じがするよ」
瑞希も「いただきます」と断りを入れて、缶を口に運んだ。
「私、徹夜の残業は初めてで、その気持ちも、宮坂さんがどれだけ大変なのかもよくわかりました。
……連絡がこないって文句言って、ごめんなさい」
瑞希は赤い目で浩二を見やり、ぺこりと頭を下げた。
さっきからやけに素直だけど、徹夜明けで思考が働いていないのかもしれない。
「いや、まめじゃないと嫌われるってよくわかったし、矯正されてよかったよ」
「矯正って……。
まぁいいです。ほんとにありがとうございました。
……っていうか、今更ですけど、同じ会社だったなんて驚きました」
瑞希は軽く息をついて、もう一度浩二に目を向けた。
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