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フルール内の浩二のメールボックスには、新着メッセージがあった。
こうして数日に一度は、誰かからメッセージが届く。
何気なく開いた瞬間、差出人の名前を見て足が止まった。
「嘘だろ……」
一通しかない未読メッセージは、『美月』からのものだった。
返事がくるなんて思いもしなかったから、『はじめまして』という文字を見つめたまま固まってしまう。
しばし硬直していたが、どこかでクラクションの音が鳴り、我に返った。
当然いい返事だとは思えず、浩二はありとあらゆる非難の言葉を想定しつつ、メッセージを開く。
なのに、そこにあったのは想定外の文章だった。
『ミヤサカさん、はじめまして。
メッセージありがとうございます。
お会いしたい気持ちもありますが、
まずはお互いを知るために、メッセージのやりとりから始めませんか?』
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