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「……もういい、お前のぶんは買わねー」
少し遅くなったのは認めるが、それならお前が買いにいけってんだ。
そっけなく返せば、すぐに原田が縋りついてきた。
「あっ嘘です なんの弁当がありますか?」
「唐揚げ弁当と、幕の内弁当しか残ってねーよ
あとはクリームパスタと、梅おにぎり」
「まじかー、この時間ならしゃーねーか
おでんはある?」
まったく、こいつは本当に調子がいい。
俺はため息をつきながら、冷めた目でレジ横のおでんを眺める。
「あるけど、んなのまで一人で持って帰れねーよ」
「あっ、ですよねぇー
ちょっと待ってくださいよ」
妙な言葉づかいに変わった原田が、チームのみんなに注文を聞いている。
結局、唐揚げ弁当を四つと言われ、自分もそうしようとしたのに数が足りなかった。
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