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「体重も写真も詐称すれば、会った時に困るのは自分じゃない……
馬鹿じゃないの」
瑞希は最初のメッセージに返信しながら、小さく毒づいた。
けど、指では口にしたのとは真逆のエールを打ち込んで、送信ボタンを押す。
ため息のような息をつくと、次のメッセージを開いた。
こういった雑談を繰り返しているけど、心なんて躍らない。
なのにやりとりを続けているのは、彼らが瑞希の条件に適った相手だからだ。
彼女の条件は、おおまかに分けて三つある。
第一が年収、
第二が見た目、
第三が家の跡継ぎかどうかだ。
逆に言えば、性格や趣味といったものには頓着しない。
そんなの、気にするだけ無駄だからだ。
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