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(どんな仕事をしてるの、か……)
不躾なミヤサカのことなんて考えないようにしているのに、直前にメッセージを見たせいで、食べている間も考えてしまう。
瑞希は手を止め、無意識に眉間にしわを刻んだ。
ミヤサカがそれを聞いたのは、たぶん社交辞令だ。
とはいえ、聞かれた以上は返事をしなければいけない。
瑞希は海外資本の、ネット広告をつくる会社に勤務している。
そこの企画部に在籍しているが、そんなことは婚活で知り合った誰にも話していない。
当然、ミヤサカにも言うつもりはなかった。
食事を終えると、水を一口飲んで、スマホを手に取る。
『こんにちは
仕事内容は、内勤と営業の間みたいな感じです
私も、そこそこ忙しいです』
もう少し愛想のある文章も考えたけど、ミヤサカには必要ないと割り切った。
やりとりを続けているのは、ミヤサカの本性を暴こうとしているだけで、好かれたいわけじゃないからだ。
瑞希はこのメッセージを送って、相手の反応を窺うことにした。
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