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それから午後の業務をこなし、瑞希が退社したのは午後8時過ぎだった。
最近夕食はコンビニに世話になりっぱなしだったから、今日こそは自炊しようと、最寄り駅にあるスーパーに寄って帰った。
お米を研ぎ、野菜たっぷりの鍋を作る。
ご飯が炊けるまでにお風呂を済ませようと、バスルームへ向かった。
体を洗い、さっぱりしたところで、テーブルに鍋をどんと置く。
午後9時半。遅めの夕飯だ。
瑞希のつくる料理とは、たいてい鍋と決まっている。
フルールのプロフィール欄に『得意料理』という項目があるけど、得意料理がない女子はどうしろというんだろう。
瑞希は体のために自炊するだけで、凝ったものは作れないし、嘘を書くのも嫌で『内緒』にしていた。
(そうそう、フルール……)
瑞希は鞄を手繰り寄せて、スマホを取り出す。
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