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『そうですか。お互い頑張りましょう』
「……えっ」
飛びつくようにして開いたのに、何度読んでもメッセージはその一行のみ。
瑞希は今電車であることも忘れて、思わず声をあげてしまった。
(なに……これだけ?)
思わず脱力する。
拍子抜けしてしばらくすると、だんだんと怒りが沸いてきた。
(ミヤサカめ……)
たしかに、送った文章は愛想がなかったと思うけど、もう少しなんとかならないの?
というか、自分がすぐに面会をOKしなかったから、この女は面倒だと遠回しに切ろうとしてるんじゃなかろうか。
(もういいや、こんなのに返信なんて出来ないし)
本当に自分とやりとりする気があるのか、はなはだ疑わしい。
瑞希は腹立ちまぎれにスマホを鞄に突っ込むと、乗客の波に押されるようにして、ホームに降りた。
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