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出社するとすぐに、給湯室に向かった。
現在時刻は8時40分。
5月でも、今朝は少し肌寒い。
タンブラーに熱いコーヒーを淹れると、ほっと息をつく。
(よし、今日も頑張ろう)
今日の予定を頭に浮かべながら通路を歩いていると、営業本部のドアが開いた。
無意識に鼓動が跳ねる。
けど、出てきたのは本部長で、和明じゃなかった。
(なんだ……)
軽く頭を下げて、瑞希は隣を通り過ぎる。
ほっとしたけれど、同時に小さな苛立ちも芽生えた。
どうして自分がビクつかなきゃいけないのか。
社内恋愛は、恋が終わってからも面倒だ。
予定はないけど、もう二度としたくないと思う。
瑞希は小さくため息をつくと、気持ちを切り替えて企画部のドアをあけた。
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