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それから二週間は、目の回るような忙しさだった。 もともとタイトなスケジュールだったのに、トラブルが起きたためだ。 対応に人を取られ、徹夜こそならないものの、毎日終電まで残っていた。 そしてどうにか納品を終えた金曜日の夜、浩二はシャワーを浴び、倒れこむようにベッドに横たわっていた。 「疲れた……」 現在時刻は22時22分。 浩二は、いまにも閉じそうな目をこじ開けて、スマホに手を伸ばした。 忙しさにかまけて、もう一週間以上もフルールを放置してしまっている。 さすがにこのまま『美月』と連絡が途切れるのはまずいと、浩二は適当な話題を探してサイトにアクセスした。 新着メッセージを開けば、知らない相手に混じって、『美月』からメッセージが届いているのに気付いた。
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