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浩二はもう一度メッセージに目を通す。
なんとなくだが、『美月』は愚痴を吐き出してしまいたいように思えた。
浩二は心を決めて、その愚痴に付き合ってやることにした。
『それは大変だったね。
会ってみないと、どういった人かわからないから、そこが難しいよね。
写真と会った相手がぜんぜん違う顔って、どう違ったの?』
(……って、俺……)
愚痴に付き合ってやるつもりだったのに、送信した後で、やはり自分の思っていること尋ねてしまったと気付いた。
さらには、付き合ってやるという上からの気持ちが表れて、丁寧語ですらない文章になっている。
「……やばい、馴れ馴れし過ぎたかも」
これはまずいと、浩二は思わず片手で口元を覆った。
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