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『いい勉強……
それなら、私を最初の面会相手にしようと思ったってことですよね。
その理由はなんですか?』
「……え、理由?」
まさかそれを聞かれるなんて思わなかった。
思いもよらない質問に、浩二は画面を見つめたまま、しばし考えた。
美月に似ているからという理由しかないけど、それは言えない。
いったい『美月』は、どんな答えが欲しくてこんな質問を投げたんだろう。
返事を考えていると、少し間があいてしまった。
適当に繕ってしまえばいいのかもしれないが、『美月』が繕わないのに、自分がそうするのはずるい気がした。
浩二は迷ったけど、本音は伏せて、ある程度正直に答えることにした。
『実は、面会はもちろん、メッセージのやりとりも、美月さんが初めてなんだ。
今までずっと美月さんみたいな人を探してた。
だから、会いたいって思ったんだ』
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