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そのメッセージを境に、『美月』からの返信が途絶えた。 なにか気に障ることを言ったかと読み返せば、相当恥ずかしい文章だった。 「うわ……やばい」 これだと、下手な口説き文句に聞こえたかもしれない。 面と向かってなら言えない台詞なのに、顔が見えない相手ともあって、気が大きくなってしまっていた。 ようやく見つけた美月そっくりの相手なのに、自分の失言で逃がすなんて、なにをやってるんだ。 (……馬鹿か、俺は) メッセージを送って30分以上経過すると、もう返事はこない気がした。 後悔が襲うけど、やってしまったことは仕方ない。 浩二は気分を変えようと、ベッドから起き上がり、テレビをつけた。
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