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(なんだそれ……  っていうか、どういうこと……) 何度文章を読み返しても、浩二は腑に落ちない。 どうしてこんなにも、自分は疑われてるのか。 たしかにこっちも礼を欠いているけど、『美月』もかなり失礼じゃないか? 浩二のプロフィールのどこに引っかかるのか、答えないのも気になった。 『美月』の文面は、ちょっとしたやけを起こしているようにも思えるし、疑い深い、へんな女かもしれない。 そう思うと、会うのが躊躇われた。 だけど、浩二が『美月』とやりとりをしているのは、美月に似ているか確かめたいからで、利害は一致している。 言質は取っているんだし、あとは進むだけだ。 浩二は気持ちを落ち着けるように息を吐き、指を動かした。 『そう言うなら、会って確かめてくれればいいよ。  それで、いつが都合がいい?』  
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