クワイエット

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クワイエット

キプロスの病院でのBIGBOSS暗殺は、私が失敗したあとすぐ来た実働部隊”XOF”が私の代わりにBIGBOSSを殺そうとしたらしいが、謎の燃える男の襲撃、包帯男の機転などにより失敗したらしい。そして死ぬはずだった私は、私の”ボス”、顔のない男(スカルフェイス)が研究していた寄生虫補完(パラサイト・セラピー)により命を取り留めた。焼けた肺の代わりに皮膚で呼吸を、喪った器官の代わりに光合成で栄養をとれる体。その為、呼吸を妨げない為に、服はひどく露出したものとなったが私は気にしない。私は復讐の為に延命された。私はあの包帯男、そしてBIGBOSSを殺す。その為に生きている。そして殺せなかった場合は…私は奴らの元へ行き、最も簡単な方法で殺す。その為に私は、話さない。話すことができない。私はーークワイエット。 今私がやるべきことは、彼らをおびき寄せる為に、ここ、「アブ・シャファフ遺跡」で現地のソ連兵を殺すこと。ここはアフガニスタンだが、ボスによるとBIGBOSSはアフガンで活動しているらしい。 私はここで、奴らが来るのをずっと待つ。ずっと… その時スコープ越しに人影が見えた。またソ連兵か。そう思いながら引き金に指を通した。だが、その男はソ連兵ではなかった。 額には鬼の角の如く刺さっている破片、右目には3点止めされた黒い眼帯。真の強さの象徴と思わせる筋肉を纏った体。喪ったであろう左腕についた、真紅のような真っ赤な義手。怒りと哀しみに満ちた碧眼の左目。前にあったときとは違う、一流の戦士がそこにいた。奴だ。BIGBOSSだ。私は再会できた喜びを感じ、同時にこんな体にされた怒りを感じた。 そして私はライフルを構えた。奴を殺す為に。
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