プロローグ

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苦しい、私はなぜ苦しんでいる。それは分かる。私が燃えているからだ。では何故燃えている?うまく機能していない脳で必死に考えた。私はBIGBOSSを暗殺しに来て、包帯の男を無力化させた後、BIGBOSSの首を絞めて…考えているより早く、私の目に入ってきたのは恐れずにこちらを見る、あの男の目だった。 こいつだ。この包帯男はまだ抵抗する力があったのだ。こいつが私に火を…! 私は地べたを這いずり回りながら、私に火をつけた憎悪の対象に近づいていった。既に火は身体中に広がってる…こいつの…こいつのせいで…! 包帯男は私にナイフを投げてきた。さっき私が報復に投げたナイフだ。そんなもので抵抗したつもりか。私はナイフを弾き、更に男との距離をつめた。 だが男は屈さず、近くにあった瓶を投げつけてきた。頭が回らなかった私は、それが引火性の液体とは気づかなかった。 「うあああああああぁぁあァァァァァッ!」 私はその液体を食らい、更に燃えた体で叫んだ。そして私はその部屋の窓から、落ちた。 BIGBOSS暗殺は失敗。私ーー暗殺者は、全身に大火傷を負い、もはや助からない状態、逆に殺されることになってしまった。あの包帯男と、BIGBOSSの報復心によって。
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