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「や、まじ俺聴いたんですけど」
「夢でも見てたんじゃね?」
「そーそー。黒川ねぼけてたとかさ」
翌朝、朝食の鮭をつつきながら、昨日の真夜中に体験した出来事を食堂に居る寮生たちに話していた。つまづいた話ではない。
「三階にお化けねぇ」
「いや、まじ高くて苦しそうな女性の呻き声がしたんですって」
「おばけで……スヤァ」
「早川やめてっ、あと寝るなっ」
気だるく笑うアキラ先輩は「気のせいだろ?」と言って、全く相手にしてくれない。
「本当なのに」アキラ先輩を軽く睨む。
「怖くなったら俺の部屋においで?」まるで御陵会計みたいなことを言って、今度は肩を揺すって笑った。
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