第2章 湖水

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 大学の外にあるチェーン店で食べようということになり,遼は他の日本人学生に声をかけに行った。 「ユウシ,君は真面目だけど面白いヤツだ。それに人を前向きな気持ちにさせてくれる…」  先ほどの和やかな空気を保ってブライスが言った。 「そんな風に言ってくれて嬉しい…かな」 「うん,この短期間に君のことをかなり知ることができたと思うけど,知れば知るほど君への関心は高まる」 「俺も,この10日間で貴方のことをたくさん知ることができたし,貴方がもつ世界は俺には特別っていうか…。学ぶことばかりだ」 ―…友達って呼んでくれるかな,俺のこと… 「…うーん,そうだな,俺のことよく知った方だよなぁ。他のやつに言ったことがないことも教えたし」  ちょっと感心したような微笑みを浮かべてブライスは言った。それからふっと真顔になって,いすの背もたれに背中を押しつけるようにし,優志を真っ直ぐに見つめた。 「でも,まだ優志に言ってないことがひとつある」 ブライスは口を閉じて一呼吸した。 そして再び口を開いた。 「俺がゲイだってこと…」
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