第4章 約束

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 キスがあまりに深く激しかったので,ふたりは同時に唇を離し酸素を補わなければならなくなった。どちらの口からも,激しい呼吸音が漏れた。 優志が閉じていた目をうっすらと開くと,目線の先にブライスの唇が見えた。普段は薄いブライスの唇が朱くぽってり膨らみ,ふたりの唾液で艶やかに濡れていた。  それを見た途端,優志の下腹部に鋭い痛みに似た感覚が走った。 ―くっ,…何だこれは。  優志は泣きそうな表情を浮かべてから,目を伏せた。 「…ユウシ,感じているんだね,嬉しいよ。 このままだと止められなくなるから,先にシャワーを浴びておいで。俺たち,ハイキングした後だから…」  余裕なく小さく何度か頷いて,優志はバスルームに向かった。  あれこれ考えるのを止めて,猛スピードで身体を洗い終えたとき,優志はふと自分の中心部を見た。 ―ここ,もう少し丁寧に洗っておくべき…かな?  そんなことを思う自分に赤面し,でもそうしないでブライスと身体を重ねたら,もっと恥ずかしいことになるかも知れないぞ,と自分を納得させた。  柔らかな皮膚を手の平で優しく扱って洗っていると,さらにその奥の部分が気になった。 ―ここも…使うような…気がする。あぁっ…もっときちんと調べておけば良かった。後悔先に立たず,だな…  よく分からないもののやっておくべきだろうと考え,最も柔らかい皮膚に包まれた袋の,さらに奥におずおずと中指をやった。  おそらく意識して触るのは初めてであろうそこは,柔らかなヒダが何本も集まって固く閉じている。優志にはどう準備したらいいのか検討もつかなかった。 泡だらけの指で,窄まりの周辺からくるくると螺旋を描くようにして撫でた。すぐに窄まりに到達し,そこもゆっくりと撫でた。  指を窄まりに止めた優志は,しばらく何か考えて,やがて硬い表情で片方の手を後ろ側から窄まりにやり,周辺の皮膚を引っ張って僅かな綻びを作った。優志は右手の中指でおそるおそる綻びの奥の部分に進めた。
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