第4章 約束

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 唇を合わせながら,優志はブライスの下腹部に手を伸ばした。そこが大きく膨らんでいるのに気づいていた。ハーフパンツの上からやんわりと触れると,ビクンと反応するそれに,逆に優志が驚いて手を引いた。 「俺のに触りたい…?」 「あぁ,でも,俺,他人のに触った事が無くて…」 「そうだな,初めてなんだ…」 ブライスは優志から離れて膝で立ち,ハーフパンツと下着を下ろして足から引き抜いた。  適度に運動をして作り上げた美しい身体だった。優志よりも筋肉が少し多かった。優志は自分も膝立ちになり,ブライスを抱きしめた。そして唇をブライスの身体に滑らせて,下腹部に身をかがめた。 優志は両方の手でブライスの熱く滾って腹を打っているものを包み込み,そっと手を上下に滑らせた。それ自体が意思を持っているかのように動いて,優志は小動物を両手で押さえ込んでいるような気がした。  見ると先端から透明な液体が滲んでいる。それが何だか分かっていたけれど,優志は自分から唇を寄せてぺろりと嘗め取った。 ―当たり前だけど,生き物の味がするな… それから優志はブライスがしてくれたように,目の前のものを口の中に入れて,舌と唇で愛撫した。どうしたらいいのか考えることも止め、ピクピクと反応するそれが愛おしくて,ブライスが少しずつ息を荒くする様が嬉しくて,自分なりにあちこちと嘗め回してみた。 ぐっと喉奥まで咥えてみると,それの質量が増えてドクドクと脈打つのを感じた。思わず優志は小さくえづいた。それが合図だったかのように,ブライスが優志の口中から自分のものを引き抜いた。 「俺,限界が近いみたいだ。…ユウシ,俺,ユウシとひとつになりたいんだけれど…」  ベッドに座り込み,両手をベッドについて身体を支えていた優志を抱きしめながら,ブライスは囁いた。 「それなんだ,俺がよく分からないの…。 俺,どうしたらいい?」 「…俺に任せてくれる?」  経験があって中心部を大きくしているブライスに,男同士のことは何も知らず一度ヌかれた自分。当然,自分はこっちかと優志はベッドに横たわった。 「任せるよ,ブライス…」 ユウシは静かに目を閉じた。
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