第4章 約束

25/54
前へ
/116ページ
次へ
やがて優志はブライスの動きに合わせて腰を揺らめかせ始めた。脚をブライスの腰に絡ませて,誰に遠慮することなくあえぎ声を漏らし,時には悦びを帯びた嬌声が混じった。 「愛してる,ユウシ…」 「あぁ,俺も…愛してる,ブライス…ああっ」 優志が絶頂を求めているのを見て取り,ブライスが手で前を扱くと2度目を迎えた。朦朧としながら両脚で必死にブライスの腰を引き寄せるので,ブライスも優志の脚の間に力強く数度打ち付けて,爆ぜた。  タオルで身体をきれいにして,ふたりでベッドに横たわった。ふたりとも満たされた気持ちだった。ブライスが優志の腰をそっとさすって頬にキスした。 「大丈夫か?」 「大丈夫みたい…初めてなのに…良かった。俺,これに向いてるのかな,それともブライスがすごく優しくしてくれたから?」 「多分,両方。ユウシは俺とのセックスに向いてるんだよ。他の奴とはこうはいかないから…」 「あぁ,他の奴とはしないから…」 「…ん?…何だ?」 「…本当に綺麗な目だなって思って。初めて逢った時から目が気になってた。ずっと見ていたいって思うよ…」  ブライスに覆い被さるようにして近くから目を見つめた。 「俺さ,きっとこのグレーの目に落ちたんだろうな。青でも緑でもない,グレーなんだよね」 「そりゃ,この目の色に産んでくれた母親に感謝しなきゃいけないな」 「ねぇ,ブライスは俺のどこがよかったの?日本人って目の色も髪の毛も同じだし… 」  頬杖をついて,ブライスを見つめながら訊いた。ブライスも優志を見るために横向きになった。 「うん?そりゃ…」 手が優志の腰から後ろに廻った。声が若干甘くなったようだ。 「大学の受付の帰りに,自転車で帰ってただろ」 「ああ,初めて挨拶をした日だ…」 「車で後ろから近づいていたとき,サドルの上で左右に揺れる尻から目が離せなかった」 「えっ,俺の…ケツかよ!」 「すっごく魅力的だった。今日はもっと夢中になれたよ…ユウシの尻に」 するりっと優志の尻を撫でて,ブライアンはニヤリと笑った。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

284人が本棚に入れています
本棚に追加