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整いすぎた目鼻立ち、どこまでも澄んでいて曇ることのない強く鋭い黒色の瞳、そして艶のある黒髪は全て後ろへ流されているためその全てをさらけ出している。
さらに服の上からでも、分かるような程よく逞しい体、その完璧すぎる容姿は冷え冷えとした印象を与えた。
そして彼には、何か絶対的な他者を従わせられるようなオーラがあった。
彼の恐ろしさはその凄みのある美貌と彼自身の不思議な得体の知れないオーラがそう感じさせると話していくうちに気付いた。
彼と一緒に居たのはほんの数分程度だった。
私の話をきちんと聞いてくれていた彼の様子を見て、何故だか人を傷つける人ではないと思った。
そう思うと初めて見た時ほどの恐怖を感じることはなかった。
恐怖心は確かに薄れた。
なのに一緒にいれば一緒にいるほどこの胸の鼓動は収まるどころか、高鳴るばかりだった。
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